2008年10月14日

消費税について 簡易課税制度

消費税の計算は原則

課税売上に係る消費税額 − 課税仕入に係る消費税額
=納付すべき消費税額

で計算して申告納付します。

これに対し、一定の課税売上高しかない事業者には「簡易課税制度」といって、課税売上に係る消費税額から一定の割合を掛けたものを課税仕入に係る消費税額とみなして計算する方法があります。

簡易課税を適用した場合

課税売上に係る消費税額 − 課税売上に係る消費税額×一定割合 = 納付すべき消費税額

となります。

仕入にかかる消費税を計算することが困難な事業者、または課税売上はあるけど、課税仕入がほとんど発生しない事業を営む者(経費のうち人件費など課税仕入にならないものが大半を占める事業)に関しては、簡易課税制度を適用したほうが有利となる場合があります。

ただし、簡易課税制度は課税売上に一定の率を掛けて課税仕入額を簡易に算出するため、設備投資などで課税仕入が課税売上を上回るような場合でも、前回書いたような消費税の還付はありませんので、ご注意ください。


この簡易課税制度、どういう場合に適用されるかというと

まず「消費税簡易課税制度選択択届出書」を事業の開始した日からその年の12/31までに提出します。
その上で、簡易課税制度を適用しようとする基準期間(個人事業者は2年前)の課税期間の課税売上高が5,000万円以下であれば適用されます。

届出に関する注意は前回の記事に書いたとおり、休日祝日が12/31の場合等の届出は注意してください。


また、適用開始後2年間は簡易課税制度が継続適用されます。

適用最初の年は課税売上があり、課税仕入が人件費などの非課税仕入が大半の場合には、簡易課税で計算したほうが有利でも、次の年には設備投資の予定があり、多額の課税仕入が発生するような場合には、2年継続して簡易課税を受けたほうが有利なのか、それとも原則課税で2年間申告したほうが有利なのか、届出書を提出する前に予め事業計画等で確認する必要があります。

(注 実際の事例におきましては必ず最新の法令等を参照してください)

2008年10月10日

消費税について 納税義務者とは2

昨日は消費税の課税事業者について、いつどういう場合に課税事業者になるのか、について書きました。


本日は次のような場合どうするか、という話です。


ある人が平成20年から飲食の事業を始めました。

事業開始、営業・広告活動などの事業活動はもちろんのこと、店舗を借りたり、内装や厨房設備などで多額の経費が発生しています。

お陰様で店は徐々に繁盛、しかしながら平成20年一年間の店の売上は800万円程度、一方一年間の経費は設備投資もあって1,500万円でした。

この場合簡単に消費税のみを計算してると
 売上  800万円(課税売上)うち消費税は約38万円
 仕入等 1,500万円(課税仕入)うち消費税は約71万円

売上にかかる消費税より仕入等の消費税が33万円ほど多く支払っていることがわかります。


このようなケースの場合、多く支払った消費税33万円について消費税額の還付を受けることが出来ます。

が、しかし、何もしないで還付は受けられません。


「消費税課税事業者選択届出書」を事業の開始した日からその年の12/31までに提出しなければ、還付は受けられません。

なお、12/31が日曜日等の国民の休日に当たる場合でも、その日までに提出がなければそれぞれの規定の適用を受けることができません。(ただし、これらの届出書が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日に提出されたものとみなされます)

どの申告書・届出書でもそうですが、提出日付には充分ご注意ください。


また、届出書を提出し課税事業者となった年から2年間は課税事業者として継続適用されます。
この場合は、平成20年分、平成21年分については消費税課税事業者として申告義務が発生します。

平成22年以降について、自ら課税事業者を選択しないのであれば「課税事業者選択不適用届出書」を平成21年中に提出する必要があります。


また、平成20年は設備投資で支払う消費税が多くても、平成21年は売上が激増し、平成20年で還付を受けた金額以上に消費税の納税が発生しそうな場合には、「消費税課税事業者選択届出書」は提出しないほうが有利な場合も考えられます。

そのあたりは事業計画等で熟考し判断したいものです。


(注 実際の事例におきましては必ず最新の法令等を参照してください)

2008年10月09日

消費税について 納税義務者とは

消費税の納税義務は基準期間の課税売上が1,000万円を超えると課税事業者となります

と書いてもさっぱり何のことやらわかりませんね(^^;


平成20年分の確定申告(H21/3/15までに提出する確定申告分)について消費税の納税義務があるかどうかは

平成18年分の課税売上が1,000万円を超えているか否かで判断します。

ここで、課税売上とは消費税法で「非課税」とされているもの以外の売上のことをいいます。



消費税法でいう非課税とは次のものをいいます。

(1) 土地の譲渡及び貸付け(借地権などの土地の上に存する権利を含む)
ただし、1か月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。

(2) 有価証券等の譲渡
 ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。

(3) 支払手段の譲渡
 銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡
 ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。

(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等

(5) 郵便事業株式会社、郵便局株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡

(6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡

(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
 一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付など

(8) 外国為替業務に係る役務の提供

(9) 社会保険医療の給付等
 ただし、美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。

(10) 介護保険サービスの提供
 ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。

(11) 社会福祉事業等によるサービスの提供

(12) 助産

(13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供

(14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け

(15) 学校教育(学校教育法に規定するもの)

(16) 教科用図書の譲渡

(17) 住宅の貸付け
 契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限られ、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。


この17項目以外の売上は全て課税売上です。
輸出に関してはまた別の規定になってきますので、今回は国内取引のみに限って話を勧めていきます。


平成18年分の売上のうち、上記非課税売上を除いた金額が1,000万円を超えるか否かで、納税義務が判断され、1,000万円を超えていれば、2年後の平成20年分の確定申告では消費税の納税義務者となり、消費税の申告が義務となります。


 
今年平成20年から事業を始めた人について書くと

今年から事業を始めたわけですから、18年度の売上なんてありません。よって平成20年分については納税義務はありません。

平成20年分の課税売上高が1,000万円を超えていた場合には、平成22年分から消費税の納税義務者になります。

つまり課税売上高が1,000万円を超えた年の2年後は消費税の課税事業者となるということです。

逆には、課税売上高が1,000万円以下の年の2年後は消費税の課税事業者ではなくなるということです。


2年後・・・このキーワードが消費税にとっては大切なものとなっています。

2008年10月08日

青か白か 2

前回、青色申告を選択した場合のメリット等を記事にしました。
http://namikawa.sblo.jp/article/20422488.html

よく「ちゃんと帳簿つけてないから(簿記の知識がないのできちんと出来てない という意味で)・・・」と言って青色申告を見送る人がいます。

しかし、青色申告を選択していなくても、ある程度所得が出れば、記帳義務は発生しますし、その上税務調査等があれば帳簿等を提示しなければなりません。

「ちゃんと帳簿つけていないから・・・」では通らない時もあります。


1.記帳義務はどういう時に発生するか

事業所得、不動産所得、山林所得のある白色申告者で次のいずれかに該当すると記帳義務があります。

イ その年の前年12月31日において、確定申告等により確定している前々年分の不動産所得、事業所得及び山林所得の金額の合計額が300万円を超える場合

ロ その年の3月31日において確定申告等により確定している前年分の不動産所得、事業所得及び山林所得の金額の合計額が300万円を超える場合

(注) これらの所得のいずれかが赤字であるときは、黒字の金額だけを合計したところで300万円を超えるかどうかを判定します。


つまり売上・収入から経費等を差し引いた金額(所得)が200万円を超えるかどうかで判断することになります。
ということは、それまでにもきちんと所得が300万円かどうか計算できていることが前提ということになっています。

また記帳する内容等としては、売上げなどの収入金額と仕入れなどの必要経費に関する事項です。
たとえば、売上に関する内容の記帳としては、取引の年月日、売上先その他の相手方、金額、日々の売上げの合計金額です。
 記帳は、所得金額が正確に計算できるように、整然とかつ明瞭にする必要があります。


2.帳簿等の保存義務

上記1.で記帳した帳簿には保存義務があります。、保存が必要である人は次のとおり。

不動産所得、事業所得又は山林所得のある人で、その年の前年12月31日において、前々年分の所得税又はその年の3月31日において、前年分の所得税について次の三つのいずれかに当たる人。

イ 確定申告書を提出している人
ロ 税務署長から所得金額などについて決定を受けている人
ハ 総収入金額報告書を提出している人
 この総収入金額報告書とは、確定申告書を提出しなくてもよい人で、不動産所得、事業所得及び山林所得の総収入金額の合計額が3千万円を超える場合に提出するもの。

3.帳簿等の保存期間

保存期間についても次のような定めがあります。

帳簿や書類(領収書・請求書など所得計算に関係する書類のこと)は5年間(記帳制度適用者が記帳制度に基づいて作成した帳簿については7年間)、納税者の住所地や事業所などの所在地に整理して保存する。



前回の青か白かでも書きましたが、帳簿をつける一番の理由は確定申告等のためではなく、その事業が儲かっているのかいないのか、改善の余地はないのか、を見るため、つまり経営の改善を行うために作成するものです。

そして作成するのであれば、青色申告のほうが何かとメリットが多いのは前回書いた通り。

今現在、白色申告をしている方は今度の確定申告からは無理ですが、青色申告承認申請書を提出して届出を提出して来年の確定申告からは青色で申告しませんか?

 

2008年10月07日

自家消費

その昔、映画「マルサの女」の冒頭、税務署職員だった主人公が小さな商店街の八百屋さんの税務調査で

「このお店に並んでいる食料品はご自宅でも食べておられるんですよね。では自家(家事)消費として・・・」

といったシーンがあったように記憶しています(違ってたらスイマセン)


「マルサの女」が上映されたのは1987年・・・古い(><)



さて、自家(家事)消費って何?

たとえば八百屋さん

商品として仕入れて軒先に並べた里芋やニンジン。その一部は自宅の夕飯として筑前煮の材料に使って家族4人みんなで美味しく頂きました、とした場合。

里芋やニンジンは自家(家事)消費した、つまり商品を家事用に消費することをいいます。


そして、経理でその里芋やニンジンの仕入金額は仕入として費用計上していたけれど、自家消費した里芋やニンジンは売上に計上していなかったような場合・・・が上記マルサの冒頭シーンだったと記憶しています。



原則、自家消費した分は通常の販売価格にて収入に計上します
ただし次の方法も認められています。

@家事消費や贈与のとき
原価か通常の販売価格の70%のいずれか多い金額

A通常の販売価格の70%未満で廉価販売したとき
通常の販売価格の70%


(注 実際の事例におきましては必ず最新の法令等を参照してください)

2008年10月06日

収入発生したら 

事業を始めて最初の収入が出たときは嬉しいものです。
始めたばっかりのときはたいてい経費ばかり出ていきますからなおのこと。

ところでこれらの収入や経費、帳簿つける時はいつ計上すればいいの?実際に現金等が入ったとき(出たとき)?

実は違います。


個人事業者の場合
収入金額は1/1〜12/31までの間に、事業により収入が確定した金額の総計を計算します。

この時「収入が確定」した金額となっていて「現金等が入ってきた金額」ではありません。

どういうことかというと、たとえば
「H20/12/30に商品10万円を売ったけど、お金はH21/1/7に振り込まれることになっている」といった場合

その10万円はH21年の収入ではなく、H20年の収入としてH21/3/15までの確定申告で収入金額として計上されることになります。

このような「確定した時に計上」することを「発生主義」といいます。

まとめると、発生主義とは
収入や支出の発生する事実があった時点で計上するという方法で、企業会計における基本原則のひとつです。


逆に、収入や支出があった日を計上日にする考え方を「現金主義」といいます。「家計簿」や「お小遣い帳」のイメージです。この方法は税務上は小規模個人事業者(前々年の事業所得と不動産所得が合計300万円以下)に認められています。

ということで、

収入発生したら発生主義・・・(--;)


2008年10月03日

青か白か

青色申告制度がなぜ青色か?というのは数日前の記事のとおり、青色はすがすがしくすっきりした色だから。

申告には青色申告と白色申告の2種類があります。

青色申告書を選択する場合には、その年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業開始した場合には、その事業開始等の日から2ヶ月以内)に提出する必要があります。

で、青色申告を選択したらどんなことがあるの?

 
・青色申告特別控除として所得金額から65万円(簡易な記帳の場合10万円)が控除できます

・特定の設備において特別償却を受けたりすることができる

・純損失が出た場合、3年間の繰越控除ができます

・青色専従者給与は適正額を全額必要経費にできます


といった特典がありますが、複式簿記により必要な帳簿を作成する義務も発生します。

 
また、白色申告の場合、記帳義務がないわけではありません。

記帳は税金の計算でも必要ですが、ホントに事業が儲かっているのかどうか、今後事業をどう発展させればいいのか、を客観的に数字でみることが出来る貴重な資料です。
 
いきなりは無理でも、最初は簡単な現金帳みたいなものから、まずは記帳をつけてみましょう。

2008年10月02日

税金関係

事業を行うと税金まわりの準備も必要。
今日はそのあたりに、個人で開業した場合についての税務関係を書いていきます。

まず、事業を開始したら各種届出書を税務署に提出しなければなりません。


ざっと書いておくと
・個人事業の開廃業業届出書
・所得税の青色申告承認申請書(青色申告を選択する場合)
・青色事業専従者給与に関する届出書(青色申告でかつ仕事を手伝っている家族に給与を払う場合)
・所得税(消費税)の納税地の変更に関する届出書
・所得税のたな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書
・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

このほか消費税に関する届出もありますが、ここでは割愛します。


2008年10月01日

はじめにすること

何かお店でも始めたい。一人でやってみたい。
働いていると一度は思うものではないでしょうか。
(かくいう私もその一人で税理士を開業)

現在、日本における開業率は5%以下だそうです。
これを多いとると少ないとみるかは人それぞれでしょう。

そして意外にも男性より女性の開業率のほうがおおいのだそうで、ちょっと古い資料では、女性の創業希望者は全体の31.6%、実際に創業した女性は全体の37.2%だったとか。(2002年)

平均値は所詮平均、と割り切ってしまうのもひとつの考え方ですね。

そこで事業するのに最初にしなければならないこ。

あたり前ですが

・「何をネタに創業するのか」そして「本当にそれでいいのか」、創業ネタを本当にビジネスに変えるための活動。

・資金調達・事業計画。得に事業計画は、銀行でお金を借りるときに必要。

・開業後の営業活動や販路開拓の活動。



そして今は関係ないかもしれないけれど創業時から視野にいれておきたいこととして

・人材の確保。事業が拡大すると人材を確保しなければなりませんが、人の採用で、事業が失敗することも。どういったタイミングで人を増やすのか?ということも考えておく必要があります。

・成長期に入った場合の会社組織の整備。整備なくして成長はありえません。

 
まずはこのあたりを今一度整理してみましょう。

2008年09月30日

なぜ青色

個人で事業をはじめたとき、考えなければならない税金まわりのことについて書いていきたいと思います。

その前に。

青色申告と言う言葉は聞いたことがあると思います。
何やら青色で申告すると得することがあるんだよね?

何が得なのかどうかはまたおいおい書いていきますが。

「なんで青色?」

黄色や緑色でもいいはず。

実際JRは「みどりの窓口」ですし、みどりも日本人にとって馴染みの色。

 
で青色の真相は・・・

 青色申告制度は、昭和24年にシャウプ博士が約4カ月に渡って国内の各地を訪問し、直接国民の声を聞いて視察調査を行いまとめられた「シャウプ勧告」により創設された制度。

その中で、記帳に基づいてまじめに申告する納税者と、記帳をしないで申告する納税者を税務署が区別するために、確定申告書を色分けすることが実務上便利であると考えました。

ある日のこと、その日はさわやかな青空。
シャウプ博士はその空を見て、「青色をどう思う?」と身近にいた日本人に聞いたところ、「青色は気持ちのよい色です。青空のようにすっきりとした色です」という答えたことから、シャウプ博士は、確定申告書の色を青色にしようと決めたのだとか。


何人かから似たような話を見聞きしたので、
たぶん事実です。

(たぶん。だってその頃まだ生まれてないもん!)